2010年2月6日土曜日

おがんしょめぐり

猿ヶ京温泉 おがんしょめぐり

古い三国街道のおもかげを残したみちすじに、地蔵たちがひっそりとたたずんでいます。
身内や自身が痛みや苦しみに見舞われたとき、医療の手立てを持たない人々は、心優しい地蔵たちとその仲間の神々に切ない気持ちで願いをかなえて下さいと祈りました。
お願いすることを「願かけ」、土地の言葉で「おがんしょかけ」といい、願いが成就すると「おがんしょばたし」といって、地蔵さんや神々にお供えをしておまいりしました。
猿ヶ京温泉の「おがんしょめぐり」が、心の豊かさを取り戻そうと願う人々の少しでもお役に立つならば、おらが村のお地蔵さんたちもどんなにか喜び合うことでしょう。

1. 関所稲荷
  ・年代 寛永八年(1631)
  ・御利益 難関突破
人の生涯には、幾つもの超えなければならない関門がある。関所の屋敷神としてまつられた稲荷様には、この難関を乗り越える力を受ける霊験ありという。

2. 庚申塔
  ・年代 万延元年(1860)
  ・御利益 火防
かつて猿ヶ京の部落は、大火に焼かれた。そのときの悔しさが、今でもこの大きな石のおもみにこめられているようである。

3. 神明様
  ・年代 元文2年11月23日(1737)
  ・御利益 五穀豊饒 家内安全 学業向上 子宝
境内には立派な本殿と神楽殿があり、他にこがけ山、金精様、宮野天神もまつられ、いちどきにたくさんの御利益にあずかれるありがたい場所である。

4. 子育て地蔵
  ・年代 不詳
  ・御利益 子供の健康、非行予防
三基の石仏があり、その中の2体の地蔵が「子育て地蔵」である。肉体の発育のみならず、子らの精神の健やかな成長を願う親心にも、親身になって耳をかして下さるやさしい地蔵様である。


5. 薬師様
  ・年代 慶長年間
  ・御利益 眼病
大阪夏の陣の真田勢に参じた田村伝六が記念に建立したと伝えられている。当時、ここに樅(もみ)の木があり、一名樅の森と呼ばれていた。ある時眼病の通りかかり、ふと見上げると樅の木の葉からこぼれ落ちたしずくが、彼の目をうるおし眼病はたちどころに平癒したという。以来、眼の神様として村内外に多くの信者をもつ。
ただひとつ大事なことは、願をかけての帰り道に、決して後を振り向かず家まで帰るということが、約束付けられている。

6. いぼ地蔵
  ・年代 江戸時代
  ・御利益 いぼ、魚の目とり、美容、良縁
いぼとか魚の目は、今でも治療しにくい厄介物であるが、昔の人(特に婦人)にとっては美容上の大敵だった。少しでも美しくなりたいのは、いつの時代でも変わらぬ人間の願いであろう。このいぼ地蔵は、単にいぼ取りだけではなく、美しくなりたい人々の手助けをしてくれる有り難い地蔵様である。

7. 二十三夜塔
  ・年代 明和2年(1769)
  ・御利益 安産、安全
一般に二十三夜様という女人講が多く、安産の神とされているが、それ以外に安全祈願の信仰も行われている。
 この近くに住む三歳の子が、ある時塔の前の高い崖から転落したが、彼はそれこそ奇跡的に一命を取りとめ現在にいたる。この時の恩を忘れずに二十三夜塔にお参りを続けている。

8. 耳だれ地蔵
  ・年代 江戸時代中頃
  ・御利益 耳疾、耳鳴り、高血圧
耳から脂が出たり、耳鳴りのする子供を連れて行って、お願しょをかける。お賽銭とおさごを供えて、そのおさごの包みで悪い耳のまわりを二度三度となぜ、治りましたらお礼のおがんしょばたしに参りますといって、椀に穴を開けて供える。


9. 風神様
 ・年代 江戸時代
 ・御利益 風水害、災難除け
風神様は、西の方向を向いて建っている。ここは猿ヶ京の西部の西原という土地のそのまた西のはずれで季節風(特に春先の)がまともに強襲するところである。この風は時には、蔵の屋根をもはぎとって行くほどの乱暴物なのだ。この小さな石のほこらは、村人達が、そんな強風との闘い抜いてきた執念のこめられた砦なのである。







猿ヶ京温泉ポータルサイトに載せるために、猿ヶ京温泉のおがんしょめぐりをデータ化しています。このほかにも隠れおがんしょがあります。これから調べます。

猿ヶ京温泉ポータルサイト http://sarugakyo.biz/  

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